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  古代ローマをテーマとするゲームについて徒然に書き連ねます

Solitaire Caesarリプレー(西方帝国領の興亡シナリオ)(WDG)Solitaire Caesar Replay

Solitaire Caesar: THE RISE AND FALL OF THE ROMAN EMPIRE
リプレー(Turn 00:開始前)

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 Ancient Worldシリーズとは違う、小規模ソリティアであるWhite Dog GamesのSolitaire CaesarのAARです
 まずはゲームの紹介から


ゲームの概要:
 ユニークなゲームを多数世に送り出しているWhite Dog Gamesが2006年に出版したソリティアゲームで、その最大の特徴は極端と言ってもいいぐらい大胆な 「抽象化」 にあります

 抽象化その@=敵は外部のみ:共和政ローマがイタリア半島を統一する直前の紀元前300年からビザンチン帝国滅亡の紀元1453年までを扱うゲームであるにも関わらず、ローマは常に一枚岩で内乱はおろか派閥による主導権争いすらありません(ローマ内部の不安定さは、おそらく主に各ターンの収入変動で表現されているのではないかと思います)。そのためローマが戦わなければならない相手は2つしかなく、1つは中立状態の周辺国(中立だけどルール上は損害覚悟で攻略する必要があります)、もう1つの、メインとなる敵が「蛮族」です
 蛮族は5種族登場しますが、登場する場所と確率、および文明化の有無(文明化していれば占領した都市を活用するために維持するが、文明化していなければ破壊してしまう)を除けば基本的に同じです(そもそも蛮族のカウンターが文明、非文明の2種類しかありません)

 抽象化そのA=ユニット種の削減:上記蛮族とも関係ありますが、基本ルールだけだとマップ上で使用するユニットはローマ軍1種、蛮族軍2種しかありません。つまり、このテーマのゲームの大多数で見られる、騎兵と歩兵(他にも補助兵や海軍)の区別が一切なく、ローマは「レギオン」一択です。また、執政官をはじめとする政務官は一切ありませんし、ローマの様々な時代を彩った綺羅星の如き将軍達も誰一人として登場しません(一応、選択ルールには「ローマ皇帝」だけが役職としてあり、将軍達は「名将(Skilled General)」マーカーで画一的に表現されます)。カウンターも少なく、都市マーカーと支配マーカー、勝利ポイントと資金、ターンと首都マーカーぐらいです

 抽象化そのB=移動経路の単純化:移動方法は陸路と海路があるものの、地形は一切カットされて全て均一です。まぁ、1ターン100年であることを考えると当然かもしれません。陸路と海路の違いは蛮族にのみ影響し、ローマ軍に関しては同じ扱いでただの「道」です。また、史実では使用されたのにゲームでは存在しない経路もあります。例えば、ローマ内戦でカエサルが渡海したローマ〜ギリシャのアドリア海路がゲームでは存在しません。この辺りはゲームバランスとの兼ね合いもあるのでしょう


 それ以外に挙げられるこのゲームの特徴としては、超戦略級(History of the WorldやAdvanced Civilazationほどじゃないですが・・・)、ここまで抽象化されているのにローマの興亡が巧く表現されている、ルールが簡単(基本ルールだけなら実質4ページ強)、備品も少なくセットアップが容易ですぐプレーできる、プレー時間が短い(60分程度)、等です
 逆に残念な点は、抽象化が激し過ぎて受け入れられないプレーヤーがいるかも、特に権力争いや内乱に魅力を感じるプレーヤーはまず無理、人物の個性に魅力を感じるプレーヤーも当然無理(管理人も、カエサルが西洋随一の英傑だと考えているのでここはかなり残念)、展開が(たぶん)史実からはかけ離れる(ただ、普通にプレーすれば大筋から外れることはないと思いますが)、といったところでしょうか


 では、次に管理人の考えるプレー方針です

初動:
@第1ターンでは友好州がローマしかないためそれほど検討の余地はありません。収入の5タレントはレギオン編制に全振りです
Aランダム都市建設の結果次第で若干変わりますが、北(キサルピナ方面)と南(シチリア方面)に2個ずつレギオンを派遣、残りの1個は南北の成果を見ながら決める、といった感じでしょう
B都市が存在する州に進出すると1/3の確率でレギオンは除去されるので、5個レギオン中1、2個はいなくなる可能性がありますが、キサルピナとシチリアは絶対に確保は必須です。さもないといきなりローマを失う可能性すらあります(まずないでしょうけど、第1ターンのサイの目6ゾロかつランダム蛮族も6だったりするとベルベル族12部隊が湧いて出ます。ベルベル州からローマまで最短4州なので、MAXに運が悪いと9部隊が突っ込んできます)。まぁ、基本ルールだけの場合、ローマ陥落=敗北ではないですけど

その後:
@西方は縦深があまりないのでガリア〜ヒスパニアのラインは早期に確保できますが、問題は東方です。最も守りやすいのがロードスなのは衆目一致するところですが、ここはそもそも防御拠点としては地理的に不適です。防御正面を小さくするならアシアとエジプトの2か所を抑えればいいのですが、この2州には防御上のプラス面はありません。ダキア方面はイリリアとマケドニアが候補になると思うので、これらを合わせると計6か所が防御拠点ということになります。ただ、この方針を採用すると東方属州の多くが失われます
A資金が潤沢と言えるのは5ターンぐらいまでで(9ターンと13ターンに一瞬ピークがありますが)、以降はジリ貧です。勝利ポイントは累積なので都市は早めに建てといた方が良さそうですが、性急に手を広げすぎると防衛に必要な戦力が確保できない可能性があります
B2ターンから終盤の9ターンまではメインの蛮族は北方のみ(ノルドとステップ)なので、西方領の興亡シナリオをプレーする場合はある程度割り切って北方重視のプレー戦略でいいのではないでしょうか


以上の現状分析と計画を踏まえてリプレーを進めてこうと思いきます

左はゲーム開始前、セットアップ完了後のマップです(クリックで大きな画像に飛びます)

基本シナリオだと18ターンですが、間延びしそうなのでひとまず西方領の興亡シナリオ(11ターン)の攻略を目指します





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